おいおい、いいかげんにしろよぉ

日常や記憶のあれやこれや。

ガスのない女の銭湯通い日記③

ここにきてまさかの事態が起きた。

ガスの開栓が今週金曜に行われるらしい。

 

1月いっぱいは開栓が厳しそうと聞いていたので、こちとら1月末、なんなら2月上旬まで銭湯生活になるものだと覚悟を決めていた。それゆえに「そうだ、日記を書こう」と己を奮い立たせていたというのにちょっと拍子抜けしてしまった。

でもまぁ、銭湯通いに耐えきれず「あいつら、銭湯代を負担したらこちらが許すとでも思ってるんだ!!」と管理会社にブチ切れて、銭湯に行かず不貞寝した3日ほど前を思うと、1月いっぱいまで待たなくてよかったとも思う。

 

いよいよこの銭湯生活も、金曜無事に開栓できたら残すところあと1日。明日で終了である。こうなるとちょっとしみじみ感傷的になってしまうから、私は単純な生き物だなぁと思う。いつも使っている銭湯は木曜が定休日なので、一旦今日で最後。明日はまた違う銭湯に行く。

 

いつもお世話になっていた銭湯は家から1分ほどのところにあり、その近さから湯冷めもへっちゃらだった。大浴場には大きなTVがついていて、「湯船に浸かりながらTVがみたい」という子ども時代の夢をまさかのタイミングで叶えられたのは嬉しかった。

特に、人がほとんどいない大晦日の銭湯で、湯船に浸かってのんびり紅白を観たのはなんだか大人の贅沢を極めたようで本当に本当に最高だった。どうしても10-FEETを大画面で観たくて、でも身体を洗ってる瞬間に演奏が始まったもんだから慌てに慌ててことを済ませ、急いで浴槽にどぷんと体を沈めた。大画面から聞こえる10-FEETの演奏はとてもかっこよくって、こんな良い年末の過ごし方があったんだなぁ、と心底そう思った。

 

木曜にお世話になっている銭湯は、脱衣所の天井あたりに大きなTVがある。大浴場に入るギリギリまでTVを観ることができる。さすがにここでは湯船に浸かりながらTV鑑賞はできないかと思いきや、一部の浴槽からはTVを観ることができるのを私は発見した。水風呂や基本のお風呂からは観られないのだが、その日その日で効能が違う日替わり湯の場所からのみ、TV鑑賞できるのだ。発見した時は「ほほぅ」と満足げに1人で呟き、その喜びをじんわりと噛み締めた。明日の日替わり湯はなんだろう、カモミール湯だといいなぁ。

 

どちらの銭湯も、おばちゃんやおばあちゃんたち人生の先輩方が、それぞれの友人たちと楽しそうにしているのがとてもいい。歳を重ねることってなんで素敵なんだろうと心から思う。

脱衣所にて交わされる「こんばんわぁ」という挨拶を皮切りに「〇〇さんもう帰ったわぁ」「あの人早いしな」「△△さん、そろそろ来るかもしらん」との会話。深くそこに根付くコミュニティが確かにあると感じるだけで、どうしてこんなに心があったかくなるんだろう。

私も混ざりたいなぁなんて思いながら、その会話をほっこりした気持ちで聞いている。時折「ここ空きましたよぉ」なんて参加してみたりして。